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はじめに

1960年代から1980年代にかけて日本の経済は急成長し、国民の生活レベルは著しく向上しました。しかしそれに伴って大きな問題として浮上して来たのが、過食、偏食、生活習慣の急変による児童の健康問題です。

この実態を把握するため、広島県安佐医師会でも安佐学校保健会と共同で1978年より児童の健康状態の調査をはじめました。この調査では、1978年から1980年の間広島県安佐地区の小中学生より希望者を募り、のべ人数でおよそ900名の児童の検査を行ないました。その後上記900名によびかけて、1982年から現在まで追跡調査を行なっています。

上記とは別に、広島県安佐地区の小学校3つを選び、1984年の小学1年生を対象に追跡調査を開始しました。追跡調査に参加したのは三小学校の1年生全体の約85%にあたる507名です。こちらのグループでも1984年から現在にいたるまで追跡調査を行なっています。中学校を卒業するまでは学校の保健室で検査を行ない、その後はハガキで案内をして休日に管内の小学校や各委員の診療所で検査を行なっています。

上記二つの調査を併せて安佐コホートスタディと呼んでいます。安佐コホートスタディでは、二つのグループを区別するため、前者をAグループ、後者をBグループとしています。

A, Bグループともに調査項目は同一です。各個人に対して一度だけ基本調査を行ない、生年月日、住所氏名、また申告制ですが家族の病歴等も調べています。毎年の調査は以下の項目に対して行なっています。

1. アンケート調査:過去一年間の健康状態の問い合わせ
2. 身体計測:身長、体重、体脂肪率(初期は皮下脂肪厚のみ)等
3. 尿検査:蛋白、糖、潜血等
4. 診察:聴打診、血圧測定、生活環境チェック等
5. 採血検査:血液一般、白血球分類、肝機能、脂質、アレルギー等

今回公開するデータは、Bグループの一部、項目は身体検査と採血検査項目の一部です。公開にあたっては、広島県安佐医師会研究倫理審査委員会(委員長・大濱紘三広島大学教授ほか弁護士、新聞記者、会社員、医師など8名で構成)の承認を受け、個人を特定できない形にデータを加工しました。また、同内容のデータを日本計算機統計学会15周年統計データ集(CD-ROMで提供)にも収録し、広く統計教育等にも活用できるようにしています。


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